「台風の影響で線状降水帯が発生するかもしれません」というニュースを耳にしたことがありますか?
よく聞かれるこの「線状降水帯」という言葉ですが、実際にはどのような現象なのでしょうか?
気になったので調べてまとめてみました。
線状降水帯は「長時間続く大雨」の原因
線状降水帯とは、大量の雨が長時間降り続ける現象です。
ある場所に線状の雨雲が長時間とどまることによって起きます。
この現象が起こると、1カ月分に相当する雨がわずか1日で降ることもあり、洪水や土砂災害の危険が高まります。
しかも、線状降水帯の発生は予測が難しいことでも知られています。
台風が線状降水帯を引き起こす理由
台風が線状降水帯を引き起こす原因の一つは、台風がもたらす大量の湿った空気です。
この湿気が、地形や風向きの影響を受けて特定の場所に集中して流れ込むことで、線状降水帯が発生することがあります。
台風以外でも、条件がそろえば線状降水帯が発生することもありますが、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。
ゲリラ豪雨と線状降水帯の違い
「ゲリラ豪雨」も線状降水帯と同じく強烈な雨が降る現象ですが、大きな違いがあります。
ゲリラ豪雨は1つの雲から短時間で激しい雨が降るのに対し、線状降水帯は複数の雲が連なっているので、長時間にわたって雨が降り続けることが特徴です。
ゲリラ豪雨の雨は長くても1時間くらいで消えることがほとんどです。
さらに、ゲリラ豪雨はレーダーでの予測が可能ですが、線状降水帯は発生条件が複雑でまだまだ予測が難しいという違いもあります。
気象庁は「ゲリラ豪雨」とは言わない!
「ゲリラ豪雨」という言葉は、主にマスコミで使われているもので正式名称ではなく、気象庁では使われていません。
代わりに、「局地的豪雨」や「局地的な大雨」、「集中豪雨」などと呼ばれています。
「線状降水帯」はいつから言われるようになった?
「線状降水帯」って、最近になってよく聞くようになりましたよね?
「線状降水帯」という言葉がよく聞かれるようになったのは、2021年から気象庁が線状降水帯の発生情報を発表するようになったことが背景にあります。
これは、線状降水帯による大雨の警戒レベルを5段階で知らせるものです。
さらに2022年6月からは、線状降水帯予測の発表も開始されました。
2024年からは「東海」「近畿」など11の地方単位から都道府県単位を基本にした59区分の細かい予報となっています。
実際は前倒しで2024年5月27日に鹿児島県と宮崎県に対して、初の都道府県単位の予報がだされました。
線状降水帯が多い地域と注意点
線状降水帯は、日本の中でも特に西日本や南日本で発生しやすいことがわかっています。
九州や南西諸島、四国、紀伊半島などの地域は、地理的に湿った空気が流れ込みやすいなどの要因があります。
しかし、線状降水帯は日本全国どこでも発生する可能性があるため、備蓄や避難場所の確認など、日頃からの備えが重要です。
まとめ
台風などがもたらす線状降水帯は、大雨や災害を引き起こす可能性が高く、予測が難しいため特に注意が必要です。
ニュースや気象情報をこまめにチェックし、早めの避難や対策を心がけて安全を確保しましょう。
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