「台風は熱帯低気圧に変わる見込みです」とニュースで聞いたことがあるかもしれませんが、それってどういう意味なのでしょうか?
この記事では
- 台風と熱帯低気圧の違い
- どのようにして台風が熱帯低気圧に変わるのか
などを解説します。
台風と熱帯低気圧の違いは「風速」
まず、台風と熱帯低気圧の違いについてです。
もともと「熱帯低気圧」とは、熱帯で発生した低気圧の雲のカタマリです。
この熱帯低気圧が強い風を持つようになると「台風」と呼ばれるようになります。
具体的には、中心部分の最大風速が約17.2メートル毎秒以上になると台風といわれます。
時速にするとだいたい61.2キロです。
台風が熱帯低気圧に変わるということ
台風は海上を移動してるうちにどんどん発達し、強い風を伴うようになります。
しかし、台風が弱まると、最大風速が約17.2メートル毎秒を下回り、再び「熱帯低気圧」と呼ばれるようになります。
つまり、台風が熱帯低気圧に変わるということは、風の強さが弱まってその勢力が落ちつつあることなのです。
台風と熱帯低気圧のかたち
台風も熱帯低気圧も、基本的には渦を巻く風と雲のかたまりです。
熱帯低気圧は台風に成長する過程で、より強い風を伴い、目立つ「渦」を作り出します。
逆に、台風が勢力を落とすと、その渦が弱まり、熱帯低気圧として見られるようになります。
熱帯低気圧が台風に変わる理由
ざっくりいうと、台風や熱帯低気圧は暖かい海上にいると勢力を増し、陸上や冷たい海上にくると勢力がおちる、という性質があります。
台風や熱帯低気圧が海上で勢力を増すのは、温かい海水から蒸発した水蒸気が上昇し、新しい雨雲を作り続けるからです。
また水蒸気が上昇するときに上昇気流ができて、台風の渦をかたちづくったり、べつの水蒸気をひきこんだりします。
水蒸気が台風のエネルギー源となるのです。
つまり、台風は暖かい海上にいると水蒸気によってどんどん強力になっていくのです。
台風が熱帯低気圧に変わる理由
台風が陸地にちかづくと、海からの水蒸気が追加されないので、勢力が落ちていきます。
また、台風は陸地との摩擦によってもエネルギーが失われます。
こうして、陸上に上がった台風は次第に弱まっていくのです。
台風が熱帯低気圧に変わっても安心とは限らない
台風から熱帯低気圧に変わったからといって、安全になるというわけではありません。
風は弱まるので暴風雨の可能性はへりますが、大雨が降ることは十分に考えられます。
特に洪水や土砂災害が起きやすい地域では、注意が必要です。
まとめ
台風が熱帯低気圧に変わるというのは、台風の風速が落ちて呼び名が変わるということです。
しかし熱帯低気圧にかわった状態でも天候には十分注意が必要です。
台風や熱帯低気圧の情報をしっかり確認して、十分に備えをしておきましょう。
このブログでは、ほかにも天気についての記事があります。